オフィスや店舗のセキュリティ強化にスマートロックの導入を検討しているものの、「費用がネックで踏み出せない」と感じている経営者の方は少なくありません。実は、スマートロックを含む入退室管理システムは、国や自治体の補助金・助成金の対象になるケースがあります。
ただし、どの制度が使えるのか、申請手順はどうなっているのか——情報が散らばっていて、なかなか全体像が見えにくいのが実情です。この記事では、2026年3月時点の情報をもとに、中小企業がスマートロック導入時に活用を検討すべき主な制度と、申請にあたっての注意点を整理してお伝えします。

スマートロックは補助金の対象になるのか——結論から
結論から言うと、スマートロック単体が補助金の「専用制度」として用意されているわけではありません。しかし、複数の既存制度の対象要件を満たすことで、導入費用の一部を支援してもらえる可能性は十分にあります。
重要なのは「何の目的で導入するか」という文脈です。たとえば、業務効率化・デジタル化を目的とした導入であればITツール系の補助金が候補になりますし、防犯対策を主目的とした場合は自治体の防犯助成事業が使えるケースもあります。
どの制度に当てはまるかは、導入する製品の仕様・システム構成・導入目的によって変わります。「補助金が出るかもしれない」という曖昧な期待でなく、まず自社の状況に合った制度を特定することが先決です。
Q: スマートロックは補助金の対象になりますか?
スマートロック専用の補助金制度はありませんが、IT導入補助金・ものづくり補助金・自治体の防犯助成金など、複数の制度の対象となる可能性があります。導入目的と製品の要件確認が必要です。
中小企業が狙える主な3つの制度
「補助金」と一口に言っても、制度の性格はかなり異なります。国が運営するものと自治体が独自に設けるものでは、対象条件も申請時期も別物です。主な候補を3つ挙げます。
① IT導入補助金(デジタル化基盤導入類型)
経済産業省・中小企業庁が推進するIT導入補助金は、中小企業のデジタルツール導入を支援する制度です。スマートロックや入退室管理システムが「業務効率化ツール」として登録されていれば、補助率1/2〜3/4(上限額は類型によって異なる)の支援を受けられる可能性があります。
ポイントは「IT導入支援事業者」を通じて申請する仕組みであること。製品メーカーや販売代理店がこの支援事業者として登録されているかどうかを、まず確認する必要があります。2026年3月時点では公募スケジュールが随時更新されていますので、最新情報は中小企業デジタル化応援隊のポータルサイトをご確認ください。
② ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)
設備投資を伴う生産性向上の取り組みに対して支援するこの制度は、セキュリティシステムの高度化や、入退室ログの自動取得による管理業務の合理化など、業務改善の一環としてスマートロックを位置づける場合に活用を検討できます。補助率は通常1/2(小規模事業者は2/3)で、補助上限は申請類型によって異なります。
ただし、ものづくり補助金は「革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善」を主眼に置いた制度です。スマートロックの導入それ自体が要件を満たすかは、事業計画書の書き方と審査によって決まります。
③ 自治体独自の防犯・セキュリティ助成事業
国の制度とは別に、都道府県や市区町村が独自に設けている防犯対策助成事業があります。東京都の「住まいの防犯対策緊急助成事業」のように、電子錠や鍵の取り替えを対象とする助成制度を設けている自治体は少なくありません。
自治体ごとに対象要件・補助率・申請期間がまったく異なるため、まず自社が所在する市区町村の公式サイトや商工会議所に問い合わせるのが確実です。
Q: IT導入補助金でスマートロックは申請できますか?
製品がITツールとして補助金事務局に登録されており、IT導入支援事業者を通じて申請する場合に対象となりえます。登録状況はベンダーに確認が必要です。
申請前に確認すべき3つのチェックポイント
補助金の申請を検討するなら、いきなり書類を揃えるより先に確認すべきことがあります。経営者の方から「申請したのに採択されなかった」という話を聞くと、たいてい事前確認が不十分なケースです。
チェック① 製品・販売事業者が制度に登録されているか
IT導入補助金では、対象ツールと支援事業者が事前に登録・審査されています。導入を検討しているスマートロックのベンダーが登録済みかどうかを確認することが、申請の大前提です。
チェック② 自社が対象となる業種・規模・財務状況を満たしているか
補助金ごとに対象となる業種や従業員規模の要件があります。また、税金の未納や反社会的勢力との関係がないことなど、基本的な適格要件も求められます。商工会議所や認定支援機関に相談すると、自社の適格性を整理しやすくなります。
チェック③ 「先に導入してから申請」は原則NG
補助金は、多くの場合「交付決定後に発注・支払いをした経費」が対象です。先に製品を購入してから申請しても、遡及して補助されないのが一般的です。このルールを見落とすと、導入コストをまるごと自己負担することになりかねません。
Q: スマートロックを先に購入してから補助金を申請できますか?
多くの補助金制度では、交付決定前の発注・支払いは補助対象外とされています。必ず採択・交付決定後に契約・発注を行うことが原則です(制度ごとに要確認)。
申請の流れと、よくある落とし穴
実際に申請を進める場合、おおよそ以下のような流れになります。
制度によって細部は異なりますが、「公募開始の確認 → 支援機関・ベンダーへの相談 → 申請書類の準備 → 電子申請 → 採択審査 → 交付決定 → 導入・発注 → 実績報告 → 補助金受領」というステップが一般的です。
よくある落とし穴は2点あります。
ひとつは「事業計画書の解像度が低い」こと。特にものづくり補助金では、単に「スマートロックを導入します」では不十分で、「導入によって何がどう変わるか」を定量的・具体的に書く必要があります。
もうひとつは「実績報告の期限を見落とす」こと。補助金は導入後に実績報告書を提出して初めて支払われます。期限を過ぎると補助対象外になるため、スケジュール管理が欠かせません。
正直なところ、補助金申請は書類作業の量が多く、経営者が一人で抱えると負担になりがちです。認定経営革新等支援機関(認定支援機関)や商工会議所の窓口を活用するのが現実的な選択肢でしょう。
Q: スマートロック導入の補助金申請を代行してもらえますか?
認定経営革新等支援機関(税理士・中小企業診断士など)や商工会議所が申請サポートを行っています。IT導入補助金ではIT導入支援事業者のサポートが必須です。
エナスピレーションのスマートロックと補助金申請について

弊社のスマートロックブランド「EPIC」と電気錠「Lavish」は、オフィス・施設向けの入退室管理用途でご導入いただいているケースが増えています。
EPICは顔認証・指紋・交通系ICカード・暗証番号など複数の認証方式に対応し、アプリ・クラウド・APIの利用料がすべて無料(買い切り型)です。月額ランニングコストが発生しないため、補助金で初期費用をカバーできれば、その後の運用コストを大幅に抑えられます。
Lavishは電磁錠コイルに銅を採用した高耐久設計で、登録ユーザー数は最大20,000人に対応。IP66防水・ヒーター内蔵で屋外エントランスや厳しい環境にも対応できます。エレベーター制御やWiegand出力など、既存のビル管理システムとの連携も可能です。
補助金制度の活用可能性については、弊社でもご相談を承っています。自社製品がどの制度の要件に合致するかについては、専門家と連携しながら情報を整理していますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
Q: エナスピレーションのスマートロックは補助金対象になりますか?
導入目的・申請制度・システム構成によって異なります。IT導入補助金の適用可能性を含め、詳細はお問い合わせフォームよりご相談ください。
補助金・助成金の制度は毎年改訂されるため、「以前はこの制度が使えた」という情報がすでに古くなっているケースは珍しくありません。導入を具体的に検討し始めたタイミングで、最新の公募状況を確認するのが賢明です。
スマートロックの導入費用・補助金活用の可能性について、弊社担当者に直接ご相談いただけます。以下のフォームよりお気軽にご連絡ください。